アメリカの大学におけるテニュア(終身雇用制度)
アメリカの大学教員には、テニュアと呼ばれる終身雇用制度があります。
(アメリカに限らないかもしれませんが、ここではアメリカの話をしたいと思います)
テニュア審査に合格し、テニュアを取得すれば、自分の方から退職を申し出る以外は、
基本的にその職場がある限り在職することができます。
テニュア制度については、
で詳しく述べています。
テニュア審査に失敗した場合
もともと政治的な圧力から研究者を護るために設定されたというテニュア制度。
誰もが取れるわけではなく、
まず、テニュアトラックにある仕事に就くこと。
そして数年後(大学によって異なるがそれぞれ規定がある)に、
テニュアの審査を受けて、それに合格すること。
が必要です。
このテニュアの審査というのが、大きな関門ですから、
テニュアトラックにいる研究者は、審査突破を目指して、鋭意努力することになります。
どれくらいの割合で審査に合格するのかは、大学によっても異なるようで、
一概には言えませんが、
自分の業績を示す分厚い書類の束(ファイル)を用意して臨んだ審査の結果が
否決だった時の打撃は相当に大きいと思われます。
私はテニュア絡みの一連の経験がありませんので、
その辺の葛藤は伝聞ですが、
書類を揃え、必要手続きを実施するだけでも、かなりたいへんと聞きます。
また、テニュア否決をより深刻なものにしているのは、終身雇用が得られないだけでなく、
1年程度の猶予期間(大学によって異なる)はあるものの、
結局その職にとどまることはできないという点です。
猶予期間中になんとか、次の職を探さなければならないわけです。
アメリカのサイトを見てみると、赤裸々なショックが描かれています
テニュアが否定されたという事象に関するアメリカのサイトは、かなりたくさんありますので、
本当にどれほど衝撃的なことなのかが、分かります。
30年前のテニュア否決が、まだ辛い出来事として心に残っているという例もあるようです。
また、裁判所に訴え出るケースもあります。
研究職というと、何か非常に静かな印象がありますが、
実際はなかなかたいへんな側面もあると言えます。
ビジネスに転出して成功した例もあるそうです
しかし、テニュア否決後、民間のビジネスに転出して大成功した人もいると言いますから、
先のことは分からないものです。
前に進むしかありませんよね。
今日の英単語:denial (否決/拒否)
deny(否定する/拒否する)の名詞形です。
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