外国に行っても前ほど感動しない?
ひと昔前は、空港に着いて、ホテルにチェックインするまでの間もわくわくして、周辺をきょろきょろ見回したものです。
両替をしたり、最初に出会った店でちょっとした買い物をしたり。
45年くらい前に、始めてヨーロッパに行ったときは南回りでしたので、トランジットのインドの空港で購入したブローチは今でも持っています。
すべてがキラキラわくわくどきどきしていました。
ホテルチェックイン後も、連れが、
「寝不足なんで少し仮眠してから、出かけよう」
などと言おうものなら、
「じゃあ、私一人でちょっと周りを見てくる!」と飛び出したものです。
初めての通貨、知らない言語。カフェに入ってコーヒーを飲むだけでも楽しかった。
英語を話すのも、楽しかったし。
パリのような素敵なものがたくさんある都市だけではなく、どちらかというとビジネス的な都市でも、まだあまり社会資本が整わない都市でも、とにかく異国の文化、雰囲気がうれしくて、猛烈ハッピーだったのです。
それがいつのころからか、それほどでもない・・という感じに変わってきました。
まず、目に見えてお土産や記念のものを買わなくなりました。
最近では、ほとんど何も買わずに帰国ということもたびたびです。
iPhoneのおかげで、写真はたくさんあるのですが、それを見ないと、なんだかどんな所に行って、何を見たのかもぼんやりするような、覇気のなさ。
慣れか、感性の鈍化か
これはどうしたことでしょうか。
ひとつは非常によく海外に行き、かつ長期滞在してきたことで、すっかり異国に慣れたということが考えられます。
ここでいう異国というのは、日本とは異なる文化、社会構造を持つ国という意味です。
異国とひとくちに言っても、それは様々ですが、日本と違う環境ということに慣れたのかもしれません。
次に考えられるのは、残念ながら感性の鈍化です。
年齢を重ね、諸々の経験値が増すにしたがって、少々のことでは驚かないと言えば、聞こえがいいですが、要するに感性の鈍化でしょう、たぶん。
たとえば、共同研究をする、研究視察をするなど、目的がはっきりしている場合は、また別です。
そうではなくて、いわゆるvacationのことなんです。
なんだか国内の町に魅かれる傾向。遠い昔のJR(当時は国鉄)のキャンペーン Discover Japanを思い出す。
逆に国内旅行には、興味が湧いてきました。
まだ行ったことがない地方が、結構たくさんあるんです。
去年は北海道、沖縄を含め、いろいろ出かけました。
しかし、お土産は買わないですね。
ものは、もう十分なのかもしれません。